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バンドブームとBUCK-TICK4

続きです。前回はこちら


Darker Than Darknessを


初めて聞いたとき、多くのファンの最初の感想は


「・・・なんだこれ?」


こんな感じだったんじゃないでしょうか。


あまりにも、今までのBUCK-TICKと違う。違いすぎる。


1曲目の「キラメキの中で・・・」から、全く違う曲調。


雑誌の表現を借りるなら、「今井寿風ダークレゲエ」


そのあとに続く曲も、あまりにマニアックでした。


今でこそかなり高い評価を受けているアルバムですが、


当時としての評価は、まさに賛否両論。


いや、周りの話聞いてると、否定的な物の方が多かったかなあ。


曲だけでなく、歌詞も、更に、重く、深く。


「ケロイドの僕は歌う ドレスを翻し」
「そして今夜も誘っている 死という名の恋人」
「僕は何故 風のように雲のように
あの空へと浮かぶ羽がない」


中でも圧巻は、シングルになった「die」でしょうか。


「真実なんて物は 僕の中には何もなかった」
「何処までまだ飛べるだろう?疲れ果てたこの体」


タイトル通り、櫻井の生への苦しみ、死への願望、を


隠すことなく歌い上げた曲です。


こんなのシングルにするか?


ファンだけでなく、業界でもそんな声が上がったそうです。


タイアップの話が、この曲のタイトルを見てスポンサーが


降りた、と言う話もあります。


やがて、アルバムの名を冠したツアーもスタートしました。


こちらも凄い物でした。


初期のノリの良い曲はほぼゼロ。DTDの曲を中心に、


まるでファンを突き放すように。


MC無し。時にはアンコールも無し。


当時のライブを評して「我慢大会」なんて言うファンもいました。


我慢できなかったファンも沢山いました。


当時ブレイクし始めたLUNA SEAや他のバンドに


流れていった人も沢山いました。


それでも櫻井は、メンバーは、自分たちのやりたいように、


ライブを進めていきます。「キラメキの中で・・・」は


時に10分以上にわたるロングバージョンとなり、櫻井は


ステージに這い蹲り、叫び、のたうち回る。


まるで、ファンに怨嗟の言葉を吐き付けるように。


いや、あの時期、櫻井は本当にファンを嫌悪していた


のではないでしょうか。


音楽活動を長くやっていると、誰しもそういう時期がある


といいます。自分の表現したいことと、


ファンの求める物のギャップ。


こんな時期を乗り越えることが出来ず、解散するバンドも多い。


キラメキの中での歌詞の中に


「舞台の中の 裸の僕は誰だい? 
化粧の取れた 怯えた僕は誰だい?」


これはまさに、舞台の上で道化を演じる自分に対する


嫌悪・自嘲・悲しみ


が込められています。どうして俺の苦しみがわからないのか。


あなたたち(ファン)は、ステージの俺を見ている


ふりをしているだけで、


本当は何も見ていない、見えていない。

そんな絶望感の中、


しかしそれでも超多忙なスケジュールをこなし、


ライブをやり、雑誌のインタビューに答える・・・・


櫻井のストレスは最高潮だったと思います。


そして、DTDでもなお収まらなかった。


ファンに伝わらなかった櫻井の叫びと、


今井の飽くなき探求心、そしてバンドとしての


執念が詰まった、超大作が発表されることになります。

櫻井の葛藤・苦悩の結晶・そしてファンへの決別状のような、


そのアルバムは、90年代最大の問題作とも言われながら、

しかし、未だにBUCK-TICKの最高傑作というファンも多い。


そう、「SIX/NINE」です。


時に1995年。バンドブームは終焉を迎えようとしていました。


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